在留資格「経営・管理」の申請要件

在留資格「経営・管理」に関する要件に変更がありました。これまでの要件に比べて、厳しい要件となっていますので、申請には慎重な判断が必要です。
「経営・管理」と一括りにされていますが、細かく言うと、自分が会社を立ち上げて経営するのか、或いは既存の会社に管理者等として雇用されるのかによって、対応は若干異なってきます。
このページでは、自身で会社を設立して経営をする場合についての内容について記載しています。
施行日
2025年10月16日以降に在留資格「経営・管理」の「在留資格認定証明書交付申請」又は「在留資格変更許可申請」をする場合には、上記の要件を満たしている必要があります。
「在留期間更新許可申請」については、2028年10月17日以降、初めて「在留期間更新許可申請」する際には、新しい規則での要件を満たしておく必要があります。
1. 資本金等の額
3,000万円以上の資本金等が必要になります。
<法人の場合>
一般的には株式会社における払込済資本の額(資本金の額)が3,000万円以上であれば、条件に適合していることになります。
(合名会社、合資会社若しくは合同会社の出資の総額 が3,000万円以上)
3,000万円以上の金額を海外から送金する場合、現在はマネーロンダリング対策などのため、国際間での送金が容易でないこともあり、事前に銀行などへの送金要件などを確認しておく必要があります。
3,000万円に関しては、融資や、一定の要件を満たしている場合は有償新株予約権の発行などによって調達した資金も計上できます。
<個人事業主等の場合>
事業所の確保や雇用する職員の給与(1年間分)、設備投資経費など事業を営むために必要なものとして投下されている総額が3,000万円以上であることが要件となっていますが、それだけ投資できる規模があるにも関わらず法人設立しないというのは、税制面などからしても一般的にみて、現実的ではないかと思います。
2. 事務所
原則として自宅兼事務所は不可ですので、独立した事務所を確保する必要があります。あくまで原則のため、事務所面積や独立性の確保によっては可能な場合も考えられますが、原則通りの事務所を確保した方が無難です。
また、事業の継続性という観点からも、月単位の短期間賃貸スペースなどは要件を満たしていないことになります。
さらに資本金が3,000万円以上となり、それに応じた経営活動に見合った事務所の確保が必要になるため、簡易的なレンタルオフィスやシェアオフィスなども要件を満たさないと判断される可能性が高まるでしょう。
また、申請時には賃貸契約書のコピーを提出する必要もありますが、使用目的が「事業用」「店舗」「事務所」等となっていることと、賃貸借契約者は個人名義ではなく、法人名義で締結している賃貸借契約書を提出する必要があります。
3. 常勤職員の雇用
常勤職員を1名以上雇用する必要があります。
この常勤職員としての要件に該当するのは、「日本人」「特別永住者」の他、「永住者」「(永住者・日本人)の配偶者等」「定住者」の在留資格を持っている人のみです。
いくら日本語が上手で日本滞在歴が長い技人国や高度専門職等の在留資格の人を1人雇用したところで、要件を満たさないことになります。もちろん、上記の日本人などを雇用した上で、技人国等を所持する人を必要に応じて雇用するのは問題ありません。
また、繰り返しになりますが、「常勤」である点にも注意が必要です。
4. 日本語能力
「申請人」か「常勤職員」のどちらかが一定程度の日本語能力が必要です。
日本語能力のレベルは、要件上は「日本語教育の参照枠」におけるB2相当となっていますが、具体的には下記のいずれかであれば要件を満たしたことになります。
①日本語能力試験(JLPT)N2以上
②BJTビジネス日本語能力テスト400点以上
③中⾧期在留者として20年以上我が国に在留していること
④我が国の大学等高等教育機関を卒業していること
⑤我が国の義務教育を修了し高等学校を卒業していること
正直①~④の場合、その要件をクリアしていても、実際に会話もままならない人も見かけるので、適正に事業を運営するためには、やはり会話も最低限できる人を雇用する必要があるでしょう。
5. 経歴(学歴・職歴)
学歴か職歴が下記のどちらかに該当している必要があります。
①「経営管理」又は「日本にて予定する事業に必要な技術又は知識に関する分野の博士、修士若しくは専門職の学位」を取得
※外国での学位でも可
②事業の経営又は管理について3年以上の職歴
※すでに日本で経営管理の在留資格を所持している人は、2028年10月17日以降の期間更新まで3年以上あるため、この要件は満たすことになります。
6. 事業計画書の確認
申請時に提出が必要な事業計画書について、「公認会計士」「中小企業診断士」「税理士」のいずれかに確認をしてもらう必要があります。
※在留期間更新許可申請時には提出必須書類ではありません。
当事務所では経営管理の在留資格についてのご相談及びご依頼も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。


