「在留資格:経営・管理」申請時における事業計画書の書き方

これから起業して会社を立ち上げて、経営管理の在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請をする際には、基本的に事業計画書の提出が必要になります。
そして、その事業計画書は許可不許可を分ける大きなウェイトを占める部分でもあります。
これは許可不許可の基準となる「事業の継続性」を判断するための材料になるため、実現可能性の少ないものや、事業の安定性がないような事業計画書では、許可は下りません。
いくら海外で経営や管理の経験があって、資本金も出資できるとしても、日本での事業における信憑性に乏しければ、当然、不許可となります。
そのような許可不許可に大きな影響を与える事業計画書の書き方などについて、本記事をご参考ください。
事業計画書には最低限、下記の項目を盛り込む必要があります。
①事業を始める動機
日本で事業を始めることにした理由を書きます。
ここで重要なのは「なぜ日本で」事業を開始するのかという点です。
日本の商品を海外に輸出するだとか、海外の商品を日本で売る、という事業であれば比較的説明はつきやすいですが、ITに関する事業をしたい場合などは、一般的にどの国でも出来る場合が多く、日本で事業を行う必要性について詳しい説明が必要になります。
②経営理念
経営理念は特に凝った文言にする必要もなく、純粋に会社の活動方針を明文化すれば問題ありません。
どうしても適切な文言が思い浮かばない場合は、色々な会社のHPを見てみれば、ほとんど記載されていますので、それを参考にするという方法もあります。
経営する以上、経営者が考えるべきことですので、他社の経営理念はあくまで参考程度にしてください。
③事業概要
事業概要では事業の内容を簡潔に説明します。
詳しい事業内容に関しては、別途記載するので、ここでは200~300字程度で事業の概要を記載すれば問題ありません。
④事業内容
事業内容は審査にかかる非常に重要な部分ですので、事業における細かい部分まで書いていきます。
下記の項目は最低限記載すべき項目になります。
・仕入れ先(※仕入れの必要がある場合):業務提携にかかる契約書や仕入れ予定品の情報(単価や個数)等を記載しますが、まだ契約前段階であれば、企業の確認を取った上で、会社名、住所、電話番号、担当者名等を記載します。
・販売先:販売先が決まっている場合は、上記、仕入れ先と同様に必要な情報を出来るだけ細かく記載しますが、販売先が決まっていない場合は、誰に対してどのような形で商品やサービスを販売するのかという構想を細かく記載していきます。
・仕入れから販売までに至る運営の全体的な流れ等について記載します。
・売上にかかる概要:別途、収支計画で数字を落とし込むため、特にこの欄で記載する必要はありませんが、必要に応じて、大まかな販売単価や年間売上高等を記載します。
・今後の見通し:事業開始後のその業界における見通しと自身の事業にかかる展望を併せて記載します。
事業内容が一つだけではない場合は、この欄にそれぞれの事業に関する情報を同様に記載します。
⑤収支計画
収支計画については将来3年分の計画が望ましいとされますが、実際は1年の収支計画でも許可は下ります。
ただし④の事業内容と同様に、この収支計画は審査における経営の安定性などを判断する非常に重要な部分ですので、しっかりと数字を落とし込む必要があります。
1年の収支計画を作成する場合は、月ごとに各項目の数字を記載し、12か月分作成します。
ExcelでA4に収まるくらいで作成すれば問題ないですが、最低限、下記の項目は必要になります。
・収入(売上高):毎月の売上高。事業が複数の場合は、それぞれの事業の売上と合計額
・仕入れ原価:毎月仕入しない場合は、仕入する月に記載
・売上総利益:収入ー仕入原価
・家賃等:事務所賃料(自宅の賃料は含まない)
・報酬額:役員報酬
・給与:従業員を雇う場合
・社会保険料:協会けんぽのHP等を参照
・旅費交通費:営業や仕入れで必要な交通費等
・広告費、接待交際費:営業等で必要な額
・その他経費:消耗品や設備等
・支出合計
・純利益
最終的に純利益を出します。
もちろん黒字が好ましいですが、仮に赤字だったとしても事業1年目の場合は一般的にもあり得ることなので、その場合は2年目、3年目で黒字転換をする計画を出すのが望ましいです。
もっとも1年目から利益が出過ぎているような収支計画は疑義が生じやすいので、現実的な事業内容と収支計画を作成する必要があります。
⑥申請人の活動内容
経営管理の在留資格に沿った活動をする必要がありますので、基本的には本事業の経営・管理を行う旨と、それに付随する業務に就くという内容で問題ありません。
事業内容とは別の活動のウエイトが大きいと判断されると、経営管理の在留資格の許可が下りる確率は格段に低くなり、状況によっては別の在留資格になる可能性もあるため、注意が必要です。
⑦その他
実際には①~⑥の内容が適正に記載されていれば基本的に問題はないですが、最後に日本で事業をするにあたっての自身の想いを記すことで、より良い心象を得られる可能性が高くなります。
あくまでプラスαの部分ですが、少なからず審査官に本人を理解してもらう重要な部分となります。
当然、嘘や誇張はNGですが、素直な気持ちや希望を書き記せばマイナスに働くことはありませんので、ぜひ思いの丈をぶつけてください。
当事務所では、経営管理の許可実績もあり、お客様の状況に合わせた事業計画書のご提案や作成をさせいただきますので、お気軽にお問い合わせください。



