申請取次者の範囲

入管法上、申請にかかる書類提出や受け取りについては本人出頭の義務があります。
しかし、申請人本人が忙しかったり、諸事情で入管に行けない場合等もあることから、「申請取次者」が本人に代わって書類の提出をしたり、新しい在留カードを受領することなどが認められています。
これは行政側(出入国在留管理庁等)からみても、日本語の曖昧な外国人本人が窓口に来て書類についての応答をしたりするよりは、一定の知識を持ったことを証明する「申請取次者」が来た方が、スムーズに処理を進めることができる場合もあり、双方にとってメリットのある制度です。
申請取次者になるには指定の講習を受け、テストにも合格し、入管に届け出る必要があります。
一連の流れを経て、ようやく手に入れた取次者証明書(届出済証明書)を見て、気持ちも昂ることもあるかと思いますが、取次の範囲については注意が必要です。
住居地関係の届出等、特別永住許可申請、特別永住許可書の受領及び特例法に定める届出等(住居地関係のもの)については、取次ができないので注意しましょう。
因みに取次者証明書には〇〇出入国在留管理局長と、地方名が書いてありますが、その場所だけではなく、全国の入管官署において、その取次ぎをすることができます。
私の届出済証明書は広島出入力在留管理局長と記載されていますが、当事務所は全国からのご依頼に対応しています。
もちろん申請場所は、申請者本人の住居地か、その外国人が所属する機関の所在地を管轄する入管官署です。
本人や代理人等の依頼者から直接に依頼を受けることなく、第三者を介して依頼を受けた申請を取り次いだ場合は、取次者としての承認が停止されることがあります。
たとえ本人からの依頼であったとしても、その本人が意思能力や行為能力のない未成年者や被後見人の場合等は、その法定代理人からの依頼又は追認が必要になります。
また、申請等の取次ぎは原則上、「地方出入国在留管理局長において相当と認める場合」に認められるため、審査段階や在留状況において、直接本人から聴取が必要な場合は、当然、取次ぎは認められず、本人が出頭する必要があります。
また、よく誤解されやすいのですが、取次者は代理人ではないという点も、改めて認識する必要があります。
取次者はいわゆる書類の橋渡し役です。
代理人のように申請等をするものが行うべき行為である申請書などの申請人や届出人などの署名欄への署名や作成年月日の記載はできません。
書類を作成すること自体は、官公庁への提出書類では弁護士法及び行政書士法にも定められている通り、業として、手数料などの報酬を得て作成することは、弁護士及び行政書士以外が作成すると、違法になりますので注意が必要です。
それなら報酬を得なければ大丈夫と思う人もいるようですが、それも残念ながら認められていないので、友達に頼まれて無料で作成しました、などいうことがないようにしなければなりません。
因みに、書類の作成と提出は外国人本人がしたけれど、在留カードの受領だけはどうしても取りに行く時間がない、という人のために、取次者は依頼者の署名がされた依頼書(https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/nyuukokukanri07_00252.html)と、ハガキ(通知書)や収入印紙等を持って、受領しに行くことが可能です。
取次証の有効期限は3年間(行政書士は3年後の当月末)なので、忘れないように更新しましょう。
有効期間満了の2か月前から受付可能です。
詳しくはhttps://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/nyuukokukanri07_00249.htmlです。
行政書士は所属する単位会を経由して更新の届出をすることになり、新規同様に講習やテストがあります。
また、定期報告もあり、毎年1月末までに、前年1月から12月の1年分についての取次ぎ状況を提出する必要がありますので、こちらも忘れないようにしましょう。


