育成就労:転籍について

技能実習制度では原則不可とされていた転籍ですが、育成就労制度においては、転籍(育成就労実施者の変更)が一定の条件の下で、認められます。
転籍の類型としては、「育成就労外国人自らが転籍希望を申し出た場合(育成就労法8条の5)」と、「認定取り消しや途中帰国などで、育成就労の対象ではなくなった場合(育成就労法8条の6)」の2つに分けられます。
転籍をする場合には、新たな育成就労計画の認定を受ける必要があります。
自ら転籍希望を申し出た場合、それが「やむを得ない事情」があるか否かによって、認定基準が異なります。
共通している基準は
- 原則的な認定基準等に適合すること
- 育成就労の通算期間が3年以内(育成就労計画計画変更に伴う期間延長の場合4年以内)
- 従前の計画で定めた育成就労産業分野と同一区分であること
となっています。
「やむを得ない事情」がなく、自己都合による転籍の場合、上記の基準に加え
- 従前の育成就労期間が1年以上2年以下であること(分野などによって異なる)
- 技能及び日本語能力が基準に適合していること
- 転籍先の育成就労実施者が実績、費用負担能力などの一定の基準に適合していること
なども求められます。
ここでいう技能及び日本語能力の基準としては、有識者会議の最終報告案(令和5年11月30日)では、
新たな制度による受入れ後1年経過時までに技能検定試験基礎級等及び日本語能力A1相当以上の試験(日本語能力試験N5等)を外国人に受験させる。
となっていますので、このあたりの基準になることが想定されます。
自ら転籍希望を申し出た場合のほか、「育成就労認定の取消に起因する場合」と「育成就労の在留資格を有する者ではなくなった場合」にも、それぞれ別途、認定基準が定められています。
育成就労認定の取消に起因する転籍においての認定基準は、上記の3つの共通基準に加え、
- 新たに育成就労を行わせることについてやむを得ない事情があると認められること
という基準が追加されます。
育成就労の在留資格を有する者ではなくなった場合(途中帰国などが想定されます)においての認定基準は、
- 原則的な認定基準等に適合すること
- 育成就労の通算期間が3年以内(育成就労計画計画変更に伴う期間延長の場合4年以内)
- 従前の育成就労期間が2年以内であり、かつ日本を単純出国した後、育成就労の対象となったことがない場合において、転籍することに対してやむを得ない事情があると認められること
となっています。
このように、転籍にあたっては、転籍するに至った原因などによって、認定基準も異なってくるため、注意が必要です。
また育成就労外国人は、育成就労実習者、監理支援機関、外国人育成就労機構等に対して転籍の申出をすることが出来ますが、申出を受けた者については、それぞれ関係機関への通知や届出が必要になる点も、事前に把握しておくべき事項です。
当事務所では、育成就労にかかるご相談も受け付けておりますので、ご不明点などございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。



